精神障害者の地域生活を支援する

ハートフルの歩み


平成28年、おかげさまでハートフルは設立から20周年を迎えます。
そこで今号と次号で、これまでを辿っていきます。今号は、設立からの10
年を設立当初から関わるスタッフのコメントと共にふり返ってみました。
現在行っている事業・取り組みが、この20年の間に培われてきたものだ
と実感し、これからの発展に向けていきたいと思います。

これからも、初心を忘れない!  理事長 橘高通泰

「ハートフル」は、20年前の開設当初に比べると随分様変わりをしました。今後は新たな課題を担っていくことにもなります。そこで、改めて思い起こしておきたいこと、それは開設当初のスタッフやメンバーの<熱い思い>と、それを支えてくださったメンバーのご家族や地元のボランティアさんなどの<温かいご支援>です。
震災復興事業の一環として期限付きで始まった「ハートフルクラブ作業所」を、「どんなことがあっても存続させたい」との思いから、精神障害者は対象でなかった市の作業所開設資金補助の対象としての位置付けを得るために奔走したり、事業所作りの資金集めに皆で街頭募金に挑戦したり、という<熱い思い>。 そして、資金集めのために企画した10回のチャリティーコンサートなどには、毎回、地元の多くのボランティアの方々が後押しをしてくださいました。今後も、<熱い思い>と<温かいご支援>を忘れることなく歩み続けたいと思います。

私とハートフル  副理事長 水野燿子

震災後、心のケアと共に精神障害者の作業所(当時1ヶ所しかなかった)が必要との声が上がり誕生したのがハートフルクラブ作業所でした。あれから20年。現在のハートフルを誰が想像できたでしょう!16年前に、小規模作業所として柳本町で新たにスタートしてからというもの、どんどんメンバーは増え続けるにもかかわらず、スタッフは増やせない。自分達だけではどうにもならない状況の中、私はひたすら「心ある人との出会い」を求めて奔走していたように思います。しかし幸いなことに、スタートと同時に喫茶シャリテを開店したことがその後のハートフルの運命を大きく左右しました。シャリテ(フランス語)=チャリティ(英語)で、喫茶シャリテは「心ある人々が集う場」との意味が込められているのです。シャリテがあったからこそ地域の多くの人々と出会い、人が人を呼び、人の輪が大きな力となってハートフルを動かしてくれました。
自分自身も含めて、「誰でも人は、人の中で成長していける」ことを実感し、「人がハートフルの宝(財産)」と、つくづく思える今の私です。

大切にして欲しい物  理事 半田みどり

 トイレの床が抜けたり、豪雨の為水浸しになりながらも、ゆるやかで穏やかな時を刻むプレハブ小屋がハートフルの原点でした。ガスがない為お湯も火も使えない中、おやつ作りとして今でも売れ筋商品の「ラムレーズンクッキー」が誕生しました。現在は内容やパッケージはおしゃれに変身しましたが味は当時のままです。家庭用のオーブンで製造する焼き菓子は量も限られ販路も少ない時、地場産業の特色を生かし、提供して頂いた酒粕入りパウンドケーキの名前を、ハートフルの「フル」、愛情いっぱいの「full」からとり「ふるふる」と命名!その後、働きたい思いを形にすべく立ち上げた小規模作業所「ふるふる」では業務用のオーブンを寄付して頂き製造も工賃もアップ。地域の風(ボランティア、一般市民の方)をいっぱい入れ、当事者の特技を活かし障害者スポーツにも力を入れ、輝ける瞬間を共有した時期もありました。また、雇用率にも算定されなかった頃から就労支援に取り組み、関係機関との連携に努めました。自立支援法以降、日々の業務や雑務で気持ちに余裕が失われがちな中、「その人の人生の一端を担う仕事」に従事する者として、当事者の思いに沿い本来の支援の在り方を忘れてはいけないと強く思い、次につなげて欲しいと願っています。

特定非営利活動法人ハートフル設立10年を振り返って

地域で暮らすための「居場所」

 震災復興事業の一環として始まった戸崎町の小規模作業所「ハートフルクラブ作業所」に集まってくださったメンバーはわずか数名でしたが、次第に人数が増え3年後には20名を超え、メンバー間の交流も次第に深まっていきました。
 そんな中で、私達は、精神に障害のある方々が地域で暮らすための「居場所」がいかに大切なものであるか、を強く認識するようになりました。

 そこで、震災復興事業が終了しても、この作業所を存続させたいという熱い思いと、各方面からのご支援を得て、小規模作業所、「喫茶シャリテ」を、さらに3年後に第2作業所「手づくり工房ふるふる」を開設しました。

 平成15年当時、市内には精神障害者の自立生活を支える「社会資源」は5つの作業所があるのみでした。精神障害者が地域で自立して生活していくためには、昼間の居場所だけではなく、互いに支え合う仲間、いつでも相談できる体制、働く場所、といった諸条件を整えていかなければなりません。

 「将来に向かってもっと幅広く事業展開をしていかなければ!」という思いがますます強くなっていくのとは逆に、補助金による小規模作業所の運営は、先行きがとても不安定でした。

幅広い事業展開のために

 地域で自立して暮らすことを支えるための活動を将来にわたって継続していくために、ハートフルは「法人格の取得」に取り組むことにし、平成15年5月に準備作業を開始。同年12月「特定非営利活動法人ハートフル」が誕生しました。本年(平成25年)で10年を迎えます。法人発足時は2事業所だったのが、現在は7事業所となり、職員も常勤スタッフ17名に非常勤のスタッフなどを加えると40名余りとなっています。

 法人化の後、まず取り組んだ事業は、一般市民を対象とした「相談窓口」でした。毎週月曜日の相談窓口、火曜日のOT室(SSTなど)、第4木曜日の保護者会などを始めました。そして平成18年10月からは、障害者自立支援法に基づく相談支援事業を実施する「障害者相談支援センター輪っふる」として西宮市からの委託事業となりました(平成25年3月末まで)。

法人化後の事業展開

 法人格を得たことでグループホーム「ハートフル上ヶ原」の運営を開設するとともに、関係諸団体との連携も次第に形成されていきました。

 平成16年2月には、NPO法人くぬぎ、NPO法人NiCCL、西宮家族会、ボランティア、当事者の皆さんと連携して、「地域生活支援フォーラム」を開催(年1回)。同時に、任意団体「精神しょうがい者ネットワークの集い」を設立して多くの方々と、精神しょうがい者への理解を含めた普及啓発を6年にわたり実施してきました。
 また、三つの法人間での、事例検討会やスポーツ大会の実施、さらに現在も継続している「西宮スタッフ会」(定期的に金曜日の夜、年3回程度)では、当事者や関係団体からの市への要望内容のとりまとめ作業などの諸活動を行っています。

関係機関との連携は利用者支援の「宝物」

 こうした活動や交流を続けることは、利用者の側に立つと、障害福祉サービスの利用が、1つの法人からだけでなく、目的や事業内容ごとに、より適切な居場所や作業所を選ぶことができる生活環境づくり、支援活動の基盤づくりができるようになったと言えるでしょう。

 <関係機関との連携>は、NPO法人ハートフルの全ての事業所の支援活動にとっても大きな意義を持ち、私たちの利用者支援における「宝物」となりました。
 今振り返ると、一つひとつの活動は、当初の目的や範囲を超えて、多くの人との出会いや協力を生み出し、そのことが日々の支援に生かされているということを強く実感します。

 こうした環境を作ってこられた方々の「意思」や「思い」を受け継ぎながら、更に当事者主体の活動を行っていくために、様々な方々とつながっていく。そういった法人を目指していきたいと考えています。

ちょっと見てNo45.(2013.10.6) より


ハートフルの歩みは、「震災復興基金」で始まりました

平成8年6月 震災復興事業の一環として、戸崎町に「ハートフルクラブ作業所」が開設されました。建物はプレハブの仮設!ここで「西宮保健所デイケア」メンバーOBの4~5名を中心に、活動の第一歩を踏み出しました。

引き続いて、
平成10年5月より 嘱託医相談開始(月1回)
平成11年4月 からは、クッキー作り・手すきハガキ作りを主な作業として取り入れ、登録メンバーも24名となりました。

当初は、平成12年の3月で、震災復興事業の終了とともに、作業所も閉じる予定でした。
でも、メンバー同士の交流も次第に深まり、作業所はメンバーにとってかけがえのない場となりました。

「この作業所は、なんとしても存続させたい!」

メンバーとスタッフの一丸となった動きがはじまりました。

「喫茶店をつくりたい!」の夢を叶えるために!

平成12年2月、新規開設の場所、柳本町に決定。3月、改装工事、4月、移転。
平成12年6月、小規模作業所として、喫茶「シヤリテ」オープン

平成14年6月 新商品開発「酒かすケーキ」販売開始
平成15年4月 第2作業所「手づくり工房ふるふる」、森下町に開設


・焼き菓子製造販売、手すきハガキ作り作業
・7月よりサロン開始
・平成16年6月より、仕出し弁当作りを開始
・平成18年1月 ワンコインランチ販売開始(第1第3水曜)

頂いている多くのご支援

私たちの活動は、およそ50名のボランティアさんのご協力に支えられています。

  • 喫茶のお手伝い、色々なプログラム(パソコン教室、ギター教室、卓球、テニス、食事会、作業療法室)、地域のイベントへの参加、などに一緒に活動してもらっています。
  • 年間の延べ人数は600人!!
  • チャリティーコンサートの開催についても大変お世話になりました。

NPО法人としての歩みへ

 平成15年当時、市内には精神障害者の自立生活を支える「社会資源」は5つの作業所があるのみでした。

 精神障害者が地域で自立して生活していくためには、

  • 昼間の居場所
  • 互いに支え合う仲間
  • いつでも相談できる体制
  • 働く場所

 という4つの条件を整えなければなりません。

 ところで、助成金による小規模作業所の運営は、先行きが不安定で提供できるサービスにも限界を感じさせられます。
 「将来に向かってもっと幅広く事業展開をしていかなければ!」という思いから「法人格の取得」に取り組むこととなりました。

  • 平成15年5月 第12回運営委員会にて「法人化」承認
  • 平成15年12月22日 「特定非営利活動法人ハートフル」として法人格取得

どうしても必要!「相談窓口」

平成16年4月 一軒家を借りて一般市民の方々も対象にした相談窓口「リラハウス」を開設。以降、私たちの活動が地域に開かれたものとなりました。

毎週月曜、相談窓口。

毎週火曜、OT室(SSTなど)。

毎月第4木曜、保護者会。
平成17年1月 メンバーとの個別面談開始(月2回)
平成19年6月 北部相談窓口開設(輪っふる、家族会)
平成19年7月 兵庫県退院促進支援事業受託(輪っふる)

その後の事業拡大

平成17年4月 グループホーム「ハートフル上ケ原」開設(入居者4名)
平成18年4月 第3作業所「クリーンハウスくりくり」開設
平成18年10月 相談支援センター「輪っふる」開設
平成19年4月 「ハートフルクラブ」「手づくり工房ふるふる」地域活動支援センターヘ移行
平成19年6月 グループホーム上ケ原4名入居体制から、6名入所体制に拡大
平成20年4月 「クリーンハウスくりくり」地域活動支援センターヘ移行
平成20年4月 グループホーム「ハートフル上ヶ原」規模拡張。(入居者6名から11名へ、世話人を1名から2名へ)
平成21年4月 ヘルパーステーション「さぽーとくらぶ 紡」開設
平成21年4月 「手づくり工房ふるふる」就労継続支援(B型)事業へ移行
平成22年4月 地域活動支援センター「うらら」開設
平成22年4月 「ハートフルクラブ」多機能型事業へ移行
平成22年4月 「クリーンハウスくりくり」就労継続支援(B型)事業へ移行

喫茶「シャリテ」のオープンを前に

 水 野 燿 子

 ハートフルクラブ作業所は1996年6月に、震災復興事業の一環として設立されました。
 開設当初は5名だった登録メンバーとともに、「クッキー作り」と「手漉きハガキ作り」に取り組み、作業をとおしてメンバーどうしの交流は次第にふかまり、設立3年にメンバーは28名に増えていました。
 
 メンバーがお互いの交流を深めるにつれ、ハートフルクラブ作業所は地域で生活していくためのかけがえのない場となりました。
 当初、この作業所は、震災復興事業が終了する2000年3月には閉じられる予定でした。

 「この作業所は、どんなことがあっても存続させたい。そのために、自分たちで何かできることはないだろうか....」
 この作業所の存続のために、メンバーとスタッフが、一丸となって動き始めました。
 
 まず、作業工賃の中から、3割を積み立てることにし、つぎに、西宮市へ、「西宮市作業所開設資金補助制度要綱」に、精神障害も他の二障害と同様に加えてほしい」との要望を提出しました。
 市会議員の方々や関係者のお力添えも頂き、この要望は叶えられました。

 つづいて、3社の新聞が私たちの活動を取り上げてくださったり、「さくらFM」にも生出演したりなどで、広く多くの方々に私たちの作業所の現状を知っていただくことができました。
 こうしたことのお陰で、思いもかけない寄付の申し出があり、大感激でした。

 その後、初めて街頭募金にも挑戦しました。大声を張り上げ、1回300枚のビラをどんどん配っていくメンバーさんたちの行動力に、私たちは目を見張りました。
 医院やお店などに募金箱を置かせていただくなど、とにかく思いついたことは即実行させていただきました。10月のバザーも気合がはいって、前年の3倍以上の収益を上げることも出来ました。

 「本当に作業所ができるのかなぁ...」というそれまでの不安は吹っ飛び、「やれば何でも出来るんだ!!」という自信につながってきました。
 
 ほんとうに、ご家族をはじめ、地域の皆様方のご協力の賜物です。

 あたらしい作業所の移転先については、9月末に決まっていたところが、10月末になって突然白紙に戻されるという所有者の理不尽な対応に出会ってとてもいやな思いをしましたが、翌年の2月初旬には、喫茶店の設備を備えた物件(現在のシャリテ)に出会うことが出来たのです!みんなの夢だった喫茶店が、まったく思ってもみなかった方向で実現にむけて進み始めました。

 何が幸いするのか、ほんとうに分からないものです。今振り返ってみると、いつも何かに追っかけられ、どうなるのか、先が読めない不安を抱きながらの7ヶ月間でした。
 しかし、「ほんとうに、私たちは多くの方々に支えられているんだ」ということを、骨身にしみて感じさせていただきました。ひたすら「感謝!!!」です。

 ハートフルクラブ作業所は、これからが本当のスタートです。
 6月1日、オープン予定の喫茶「シャリテ」が、地域の皆さんに親しんで頂ける、ふれあいの場となることを心から願っています。

 西宮市体育館のすぐそばです。どうぞお気軽にお立ち寄りください。

法人関連基礎データ

登記簿内容(平成26年1月6日 登記内容)

  • 名称 特定非営利活動法人ハートフル
  • 主たる事業所 兵庫県西宮市室川町5番13号201号室
  • 法人成立の年月日 平成15年12月22日
  • 目的等
    この法人は、高齢者及び障害者等に対して。生活支援及び社会参画促進に関する事業を行い、高齢者及び障害者に対する一般市民の理解を深め、相互に認めあい支え合う豊かな地域社会づくりに寄与することを目的とする。
    この法人は上記の目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。
    (1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動
    (2)まちづくりの推進を図る活動
    (3)人権の擁護又は平和の推進を図る活動
    この法人は、上記の目的を達成するため、次の事業を行う。
    (1)介護保険法に基づく指定居宅介護支援事業、指定居宅サービス事業及び、指定介護予防サービス事業
    (2)障害者自立支援法に基づく地域生活支援事業
    (3)障害者自立支援法に基づく障害福祉サービス事業
    (4)精神保健福祉に関する啓発事業
  • 資産の総額 6659万円(平成26年3月)

定款より

  • 理事 橘高通泰 髙木敬三 水野燿子 眞野典子 山口禹堯 鷲尾 昇 本井千恵子 半田みどり 宮津智子 角野太一 榊原有子
  • 監事 谷本教子

職員数  正職員 16名  非常勤職員等 39名 (平成26年5月)

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